2008年04月20日

設計開発へ組み込まれたCAEへ(16) -日本のものづくり-

さて、今回は少し前までの日本のメーカーの場合を考えてみると、ものづくりは会社のトップから製造現場まで一体となってすすめるのが特徴ではないかと思う。

製造現場ではいわゆるカイゼン活動を行い、多少自分の仕事からはなれたことであっても、改善提案をする、ある意味オペレーターも開発のアイデアを出してきたのである。

また現場のオペレーターの報酬も、設計開発担当者と比べ遜色ない額になっていて、米国企業よりは高く設定されていたのである。

設計開発現場でも、ワイガヤとよばれる言葉に代表されるように関係者がチーム一丸となって、アイデアを出し合い、改善に改善を重ねてものを作り込んでいくというやり方で、高品質なものを開発してきたのではないかと思う。

製造現場、設計開発現場ともにコミニュケーションが密であり、そのコミニュケーションのなかからアイデアを見つけて、製品として実現していくのが日本の特徴、つまり会社のもとみんなの共同作業で仕事を進めていき、いわいる個の存在が欧米より薄いようにみえる。

これにより、高品質なものを高い歩留まりで生産する能力が世界トップとなり、メイドインジャパンはブランドになった。

ところが、これらの手法は大量生産大量消費の時代に通用したが、現在は大量生産しても元が取れるほど売れない時代になってきたため、通用しなくなってしまったといわれている。

また、技術の専門化、高度化が進み、他の人の専門分野にアイデアを出すのが難しくなってきたとか、個を重んじる時代になって、会社への依存が下がったため、共同作業がやりにくくなった、などいわれている。

これらは確かにそうだと思うが、だからといって、欧米のやり方をそのまま輸入して実践すればよいのであろうか。

私はそれではうまくいかないと思うし、現実そのまま輸入した企業はうまくいっていないと思う。

それよりは、今まで行ってきたやり方をベースにして、現在の世の中の状況に合うようにカイゼンするのが得策ではないかと考える。

実際に日本の自動車産業は世界の中で現在も勝ち組であるといえるが、自動車メーカーは欧米方式のシステムなどをそのまま取り入れたとは聞いたことがない。

もちろん、日本の自動車メーカーは3D-CAD設計をいち早く取り入れ、CAEについても日本をリードする存在である。

しかし、それらの導入はカイゼン活動の一環として行われ、自分たちの仕事の効率化につながるように、社内で大きくカスタマイズしているはずである。


タグ:CAE
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2008年04月12日

設計開発へ組み込まれたCAEへ(15)


もう一つ欧米の特徴として、個々の仕事の範囲が明確に定義されているということがあげられる。

自分の仕事として与えられたもの、もしくはやりますと宣言したものに関して100%やりとげることが重要である。

そのため専門性が重要視され、エンジニア同士(それ以外の職業も、かもしれない)の初対面の挨拶では、まずお前の専門は何か、ということが必ず聞かれる。

ただし、自分の仕事の範囲外のものに関しては、非常に優先順位が低い。

これらは、いわいる「個人主義」がベースになっているのかもしれない。

個人主義といえば、欧米は人間関係も非常にドライである。

ドライというとあまり、良い印象はしないが、決して悪い意味だけではない。

例えば、会議で仕事について大げんかしても、会議が終われば談笑しているのである。
(腹の底はわからないが)

ところで、PDM(プロダクト データ マネージメント)システムというのがあるが、これは欧米人にとって非常に使いいい考え方である。

つまり、
デザインの専門家が行ったデザインをPDMに入力し、
それを見てCAD設計の専門家が設計した図面を入力して、
CAEの専門家がシミュレーション結果を入力して、
実験専門家が実験結果を入力して、
.....
最後にマネージメントの専門家がこのシステムを見ながら状況を把握してプロジェクトを進める。

としたら、それぞれ専門の仕事に集中し、あとはPDMシステム上のデータを見るだけで、ものづくりができてしまう。

工場で試作品を作るオペレータ以外は、実際にものを見る機会が全くないかもしれない。

実際、外国の企業はこのようなやり方で製品開発を行っていることが多いような気がする。

このようなやり方を否定するつもりは全くないのであるが、それを日本に取り入れるという話になると、いろいろ考えなければならない点があると思う。

タグ:CAE
posted by tsunodako at 12:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月05日

設計開発へ組み込まれたCAEへ(14)

日本と欧米のものづくりの考え方の違いは、いろいろな方々が語っている。

ここでは、CAEに関する観点から考えてみたい。

ところで、欧米といってもいろいろ国があるが、ここでは多くの構造解析CAEの発祥の地であるアメリカとの違いを見ていきたい。

さて、アメリカのものづくりの特徴として、データ重視主義であるといえる。

それに対して、日本は現場を重視する。

もちろん、日本がデータを軽視しているかというと、決してそんなことはないが、アメリカ人と比べてデータの重みの感覚が違うような気がする。

これはCAEの使い方にも影響していると思う。

CAEはデータとしては非常に明快なものが出てくるので、アメリカ人は特に好む。

外資系メーカーで仕事している方、または外資系メーカーと一緒に技術開発している方はわかると思うが、CAEのデータをそんなに信用していいの?、と思うくらい信用している。

一方日本では、シミュレーションによる検証がだいぶ浸透しているが、現場では「所詮シミュレーションはシミュレーション。最終的には試験の結果が信頼できる」と考えている技術者がまだまだ多い。

せっかくシミュレーションを行っても報告書は設計開発者の書類の山の下のほうに埋もれてしまうことも少なくない。

どちらがいいのかという話になるが、私は両方のいいところ取りができるのではないか、と思っている。

特に、日本人は明治維新以降、和洋折衷という形で近代化を進めてきた歴史もある。

また、欧米のものをグローバルスタンダードだからとかいって、そのまま日本に取り入れても、うまくいかないことが多い。(成果主義とかいい例である)

どうすればいいとこ取りができるのか。

次回以降考えてみたい。
タグ:CAE
posted by tsunodako at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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